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04
2014

桜の色はいのちそのもの

 

桜、と言えば、私は、中学生の頃の国語の教科書に載っていて、驚きと感動で、心に残っている文章を思い出します。

 

染織作家の志村ふくみさんという方のお話です。

 

桜色に織物の糸を染める時、桜の花びらではなく、何と、桜の木の幹を使うと桜色になる、というのです。

 

志村ふくみさん、というお名前を覚えていたので、ネットで調べたところ、これは、大岡信さんの「言葉の力」という本の一節でした。

 

大岡信さんが、志村ふくみさんの仕事場で、美しい桜色の着物を見せてもらった時のお話です。

 

本文では、その桜色について、以下のように述べられています。

 

『そのピンクは淡いようでいて、しかも燃えるような強さを内に秘め、

はなやかで、しかも深く落ち着いている色だった』

 

そして、『その美しさは目と心を吸い込むように感じられた。』と書かれています。

 

志村さんは、著者の大岡信さんに、着物を見せながら、この色は「花びらではなく、桜の幹の皮からとれる」と伝えました。

 

そして、しかも、これは、一年中いつでも取れる色ではなく、花が咲く直前の頃の皮で染めると、このような美しい桜色になる、という事なのでした。

 

それを知った著者の驚いた様子が、以下の文章に表れています。

(以下、大岡信著「言葉の力」より引用)

 

『私はその話を聞いて、体が一瞬ゆらぐような不思議な感じにおそわれた。

 

春先、間もなく花となって咲き出でようとしている桜の木が、花びらだけでなく、

 

木全体で懸命になって最上のピンクの色になろうとしている姿が、

 

私の脳裡にゆらめいたからである。

 

花びらのピンクは幹のピンクであり、樹皮のピンクであり、樹液のピンクであった。

 

桜は全身で春のピンクに色づいていて、花びらはいわばそれらのピンクが、

 

ほんの先端だけ姿を出したものにすぎなかった。』

 

中学の時に読んだ内容ですが、今、改めて、桜の花の色は、本当に、桜のいのちそのものの現れなんだ・・・と感動することしきりです。

 

桜のいのちの発露を、もうしばらく楽しみたいと思います。

 

 

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