今、私はドイツのハンブルグでこの文章を書いている。
夫がこちらで仕事をしているため、子供の夏休みの間しばらく滞在しているのだ。
ハンブルグはドイツ北部の街。
ここは中心部へバスで10分くらいのアパートメントだが、緑の木々と運河に囲まれ、中庭には野ウサギがいる、とてものどかな場所だ。
そして、港町でもあるハンブルグ。
港から5㎞程離れたこの場所でも、朝はカモメの鳴き声が聞こえてくるのには少し驚いた。
中心部には優雅な雰囲気を讃えたアルスター湖。市民や観光客の憩いの場所のようだ。
今日は午前中こまごまとした家事などを済ませると、午後は買い物を兼ねた散歩の時間だ。
道すがら、発見した紫陽花。鮮やかな赤紫色が印象的だ。
こちらでは今が満開のよう。
のんびりとした時間を過ごせることに感謝して歩いていると、ところどころにある運河の眺めが、景色に変化を与えて、散歩をさらに楽しいものにしてくれる。
立ち止まり、運河を眺めていると、何と蓮の花が咲いていることを発見!
凛として、気高さを感じさせる白い花だ。
実は、蓮の花は、ずっと私が「見たい」と願っていたものなのだった。
6月下旬から7月初め頃にかけて、東京郊外の地元の、大きな自然公園で、「蓮祭り」なるものが開催されており、行きたいと思っていたのだが、開花の時期が過ぎてしまい、見逃してしまったのだ。
うーん、こんな所で出会えるなんて、とても不思議。
ハンブルグに蓮が咲いているとは全く知らなかったのだし。
その場所にあるなどとは、全く想像もしていない時に、ずっと見たいと願っていたものと出会ったこと。
まるで贈り物のように“そこに”あったこと。
これは「ささやかなシンクロニシティ」と呼んでもいいだろう。
天は(宇宙、神様でも何でも良いが)“粋なはからい”をするなあ、と感心する。
予期しない時にプレゼントされると、感動が大きくなる。
「ささやかなこと」なのだが、人生って何だか面白い。
そして、とても嬉しく感じた出来事だった。